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大石隆元さん。
八王子市公認ご当地キャラ「たき坊」生みの親。
たき坊楽市(旧:八王子ゆるキャラを作ろう会)代表。
普段は僧侶として金龍山少林寺(八王子市滝山町)にて従事し、休日にはたき坊とともにイベントに参加。
二人がどことなく似ているのは、気のせいでしょうか??

●活動のきっかけ
 たき坊誕生のきっかけは、2011年の東日本大震災。
大石さんは震災後、被災地を巡りました。しかし、お経をあげることしかできない自分に不甲斐なさを感じ八王子へ戻ったのです。
 そしてある日、少林寺の近くで開催されたヒーローショー。震災で沈んでいる時期にも関わらず、子どもが笑い、それを見守る大人にも笑顔がこぼれました。「今の世の中にはこういう活動が必要だ。明るい社会を取り戻すためには、行政や政治に頼っている場合ではない。笑顔になれる催し物等が求められているのだ!」と思い、できることを探し始めました。

●たき坊の完成、そして活動開始
 2011年当時、八王子にご当地キャラクターはいませんでした。「何か八王子らしいものを作れないか?」行きつけの喫茶店のマスターとそんな話をしていたところ、偶然、隣でお茶を飲んでいた学生さんが話の輪に参加。彼女が大石さんのアイデアをイラストに起こしてくれました。たき坊誕生の瞬間です。
 多くの人たちの支えで生まれた「たき坊」は、2011年10月にイベントデビュー。以来、大石さんは様々なイベントに参加し、たき坊をアピールしました。そして、2012年3月に市公認のキャラクターになりました。

●楽しむことが大事

 たき坊楽市のスタッフは全てボランティア。皆には本業があり活動はその合間を縫ってやっています。しかし、これからもたき坊を活躍させるには、スタッフの安定化と資金調達は重要な課題です。
 法人化という選択肢もありますが、維持していくことが更なる負担になる恐れがあるので、今は考えていないとのこと。何より大切なのは継続していくことで、そのためには自分自身が楽しんでいなければなりません。それには、組織に所属せずに自由でいることが必要なのだと大石さんは考えているのです。

●八王子愛
 最後に大石さんは「私は、八王子から離れるわけにいきません。寺を次世代へ受け渡すまで守るのが私の使命なので、何があっても他の土地へ移住するという選択肢はないのです。その分、この土地への愛着は人一倍です。生涯、八王子市民ですから。」と、八王子への思いを話してくれました。
 活動のきっかけは東日本大震災。しかし、2011年から今まで活動を続けられたのは、強い郷土愛、つまりは八王子愛が原動力になっているからなのかもしれません。

たき坊楽市公式HP http://takibou.jp/
たき坊facebook http://www.facebook.com/takibou802
たき坊Twitterアカウント @takibou802

【取材:6月13日文・写真 国富由紀】